TILDA SWINTON 2017

TILDA   SWINTON   2017

テイルダ スウィントンが出演する、不思議な映画を見てきました。韓国とハリウッドの合作で「オクジャ」(17)という題名の、オクジャという名前の人工の豚と象が混じったような動物と少女の結びつきを描いたドラマです。

なんとも不可解で、かなり気持ちの悪い映画なのですが、救いは明るくて、活発な韓国の田舎の少女とげーっとたんを吐いたりする、大昔風のおじいさんだけ。
テイルダはまたまた、一人二役、その人口豚を生産する工場の社長姉妹を怪演しています。
2016年には「ヘイル シーザー!」でゴシップコラムニストのライバル同士をダブルで演じていました。

自然食品を奨励する現代に、表向きは自然の肉とうたって、実はとんでもない人工豚を使用しているというブラック企業のオーナー姉妹で、儲けのためにヒステリックに事実を隠蔽する役をなんとなく、しらけた感じで演じているのは、私の勝手な反応ですが。
冒頭のシーンで、妹の方のテイルダが巨大な舞台で人工豚のキャンペーンを始めるのですが、とてつもなく若作りで、ブロンドのおかっぱ髪にピンク色のドレスなどお人形のようなスタイルが実に不気味で、へんてこで、どす黒いブラックユーモアを漂わせています。
突然ジェイク ジレンホールが演技過剰の動物学者兼テレビリポーターの役で登場し、みっともない行動を嫌という程見せてくれて、次はポール ダーノが、動物救助団のリーダーとなって、現れ、彼のアシスタントがリリー コリンズとそれなりにスターが顔を見せているのですが、彼らの価値はほとんど活かされていません。

りんごのほっぺで山の中を飛び回る少女を セオ ヒュン アーン と言う13歳の韓国少女が生き生きと演じていて、日本の田舎にも似ているので、懐かしい気分にさせてくれました。

テイルダは今年になって、「ドクター ストレンジ」で東洋の神秘的な仙人みたいな役を演じていますし、「ウオアー
マシーン」と言う戦争喜劇ではドイツの政治家を演じたり、「サスピリア」(17)でははっきりしませんが、バレーのコーチを演じるようで、当分はエキセントリックな脇役が続くようです。

大ファンの私としては、テイルダの極上のエレガンスと知性を生かしたスリラーなり、ハイクラスのドラマなどに出て欲しいのですが、それでも彼女をスクリーンで見ると、ため息がつくほどに、なんと言いますか、別世界の雰囲気が醸し出されて、その中に引きずり込まれてしまいます。
2017 カンヌ映画祭での「オクジャ」左からジェイク ジレンホール、セオ、スタイリッシュなテイルダ、監督のボング ジューン ホー。


「オクジャ」女社長の姉の方。右はジャンカルロ エスポジト。

お揃いのチョゴリを着たテイルダとセオ。

肉の部分をデザインした「オクジャ」の韓国用ポスター

「オクジャ」のプロデユーサーの一人はブラッド ピットなのです。

「オクジャ」舞台で張り切るテイルダ社長。

巨大な食肉用人工動物。

「オクジャ」の女社長役用にバッチリとメークを施されているテイルダ。

1960年11月5日英国はロンドン生まれ、家系はスコットランドの貴族、ケンブリッジ大を卒業して、ロイヤル シェイクスピア カンパニーで演劇に磨きをかけるなど、すべては超1流の環境で育ったテイルダなのですが、それだけに、当人は驚くほどに謙虚で、優しくて、控えめで、ウイッテイーで、加えて清潔感にあふれた10頭身の美女、と非の打ち所がないとは彼女のことでしょう。
約二十歳になる双子の娘と息子がいて、その父親と現在の恋人とみんなで仲良く生活を送っているという、飛んでいる生き方も「美しい妖怪」ならではのものなのです。
こういうユニークなスタイルが絶品なのです。2013「オンリー ラバーズ レフト アライヴ」


どこか美しい妖怪のようにも見えます。

2003「猟人日記」の頃。
2008「バーン アフター リーデイング」
2011「少年は残酷な弓を射る」

2016「ドクター ストレンジ」

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