MEL GIBSON 2016

MEL   GIBSON   2016


メル ギブソンに久しぶりに会いました。
沖縄の激戦地で、銃には触らない、敵であっても人は殺さない、という固い主義を持つ米軍の兵士が味方が去った後も延々と続く戦死者の中にまだ生きている人間を探して、敵も味方もなく助ける、というユニークな戦争物、
「ハクソー リッジ」(HAKSAW RIDGE ) ノコギリ山 (16)を監督したからです。
今年の1月のゴールデングローブ授賞式にプレゼンターとして舞台に上がった時はまだスッキリとしたヒゲなしでしたが、10月下旬の今はと言うとぼうぼうのおひげ顔!それもあごひげだけが真っ白という、山男、仙人、ホームレス、
もどきで現れました。
私の顔を見るとジョン レノンの
「In The middle of the night, I call your name, Oh Yoko!」
の一節を口ずさむのが習慣となってます。

今年の1月3日に60歳になったメルは最近9人目!の子供の父親となって、ますますやんちゃな面が強くなった感がありますが、同時にありとあらゆるスキャンダルをくぐっての、風雪を経た古兵の風格も漂ってます。

さて「ハクソー リッジ」はメルらしい、爆発した内臓が飛び交う凄惨な戦争シーンには目をつぶって、驚きのデスモンド ドスという男性の実話をぜひご覧になって下さい。
少し前でしたら、サイパンもグアムも沖縄も硫黄島などと言った日本軍の最後の戦地を訪れるなどとても出来ないという海軍娘の母の影響があって、日本が絡む第2次戦争映画は敬遠していましたが(特に母が帝国海軍を必要以上に弁護することもあって)、ここに来て、やっとアメリカ人の描く太平洋戦争をじっくり見ることができるようになりました。

我らが主人公、デスモンド ドスは小さい頃、兄弟喧嘩で兄貴を殺しそうになって以来、絶対に人を傷つけないという信念を持ち、セブンス デイ アドヴェンテイスト という教会の敬虔な信者となります。

同胞の兵隊を助けるために従軍看護士を目指して入隊し、おきまりのしごき軍曹(ヴィンス ボーン)の銃操作などの訓練を拒否し、指揮官にまで訴え、ほとんど軍事法廷にまで送られそうになるのですが、ここで元軍人の父親(ヒューゴ ウイーヴィング)が昔の戦友、今大将に直訴して、ドスの例外的処置が許可されました。
送られたのが激戦地、沖縄。ハクソー リッジという険しい丘を縄梯子で登っては、はりめぐされた穴の中で死に物狂いで最後の戦いを続ける日本軍と戦うのですが、目の前に敵が現れてもドスは物ともせず、負傷兵を看護し、おぶっては丘の下まで運ぶ使命に夢中なのです。

闇が近づいて、米兵が全員引き上げた後もドスは勝手に居残って、穴の中までまだ生きている兵士がいないかを確かめて、息があるとわかると米兵でも日本兵でも助けるのです。もう体力が尽きてもやめられないと言う、よろめきながら救助を続けるドスの姿からは神がかったものが感じられます。

結局重傷を負ったドスは本国に送られ、その功労にアメリカ政府最高の勲章、メダル オブ オナーを当時の大統領、ハリー トルーマンから授かったのでした。

この感動の話が今まで本や映画にならなかったのは、ドス当人が大変謙虚な人柄で自分が目立つことを好まなかったからだそうです。多くの戦友が亡くなり、自分が生き残ったことも理由の一つだと書かれてました。

日本公開は来年だそうです。
メルはこう言ってました。
「この映画は戦争映画ではないのだよ。愛を描いたドラマだと思って欲しい。実は忙しくて沖縄を訪れることができなかった。戦争の惨さを今再び見て、今の世界の状況を考えてみるのも大事だと思う」
ロケはすべて豪州のシドニー近くで行われ、俳優たちも大半がオーストラリア人です。
デスモンド ドスはアンドリュー ガーフィールド(英国人)
デスモンドの妻 テレサ パーマー(オーストラリア人)
デスモンドの両親 父 ヒューゴー ウイーヴィング
レイチェル グリフィス(二人ともオーストラリア人)
軍曹 ヴィンス ボーン(米国人)
大尉 サム ワージントン (オーストラリア人)
戦友 ルーク ブレイシー (オーストラリア人)
戦友 マイロ ギブソン (米国人、メルの6番目の息子)
その他大勢のオーストラリアのベテラン俳優が出ています。

メルとのツーショットはそれこそ山のようにあるのですが、いかに前はハンサムだったかを思い出すために数枚載せましょう。今のメルはヒゲはともかく、目の当たりがむくんでいるような、やつれているような、どこか違うメルの顔になっているように思えます。

2010  「復讐捜査線」


1988「テキーラ サンライズ」左からメル、カート ラッセルと監督のロバート タウン




実在のデスモンド ドスがハリー トルーマン大統領から米国最高峰のメダル オブ オナー勲章を授かっている写真です。


メル ギブソン 2016年1月のゴールデングローブ授賞式に久しぶりに顔を出した時。

2015「マッドマックス:怒りのですロード」トム ハーデイー と。若々しいルックのメルです。

左は婚約者に扮している看護婦のテレサ パーマー、右はアンドリュー ガーフィールド

指揮官に銃は使わないと宣言しているシーン

目下撮影中の「ザ プロフェッサー アンド ザ マッドマン」用のヒゲ。

2016「ハックソー リッジ」大尉のサム ワージントン

「ハクソー リッジ」号令している軍曹はヴィンス ヴォーン

アンドリュー ガーフィールド


2016「ハクソー リッジ」
アンドリュー ガーフィールド 後ろに見えるのがハクソー リッジ。

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