PENELOPE CRUZ 2016

PENELOPE  CRUZ   2016

久しぶりにペネロペ クルスに会いました。今年の4月28日に43歳になった2児の母親の彼女には、さすがに昔の可憐さは無くなり、スペインの成熟した大地の母の貫禄が備わってきました。
ハリウッドの業界語で言う「ヴァニテイー プロジェクト」、ほとんどの場合、女優のためにある言葉ですが、彼女たちの自己満足、虚栄心、などを満たすために採算を無視して企画される映画の種類、で、ペネロペの新作「マ マ」(16)はその典型でした。スペインでは2015年に公開されたようですが、海外進出は2016年となってます。

彼女の演技や役は良いのですが、その周囲の人々がほとんどマンガチックで現実性がなくて、せっかくの癌にかかった母親のドラマが台無しになっているのです。
こういう女優のエゴを貫いた映画をたまに作って、スター女優を持ち上げて、次に制作会社が自分たちの企画に乗ってもらうというプロセスと言えましょう。

スペインを代表するグラマー女優ですから、ファンとメロドラマ好きの観客は彼女の崇高な役作りに魅了されるでしょうが、何ともはやのストーリーです。

シングルマザーが乳がんとなり、サッカーボーイの息子の世話に苦労するのですが、がんを発見する婦人科医がペネロピの乳房を揉み揉みしながら、励ましの歌を歌ったり、ちょうど良いタイミングでサッカーのコーチと親しくなって、息子を訓練してくれたり、それまでいがみあっていた別れた夫が優しく支持してくれたりと誠にご都合が良いドラマの流れて、クライマックスの泣かせるシーンなどでは、試写に来た記者たちの失笑が大きく聞こえたりしました。
演歌調の映画と言えましょうか。

ペネロピはいつものように、義務的に魅力を振りまき、スターオーラを撒き散らしていました。
同じスペインの俳優のハヴィエ バーデムと結婚してから二人はプライバシーを重んじて、何も外部には映像などを出していません。
それまでのペネロピが共演したマット デーモン、トム クルーズ、マシュウ マコナヒーなどなどのハリウッドの男優とのロマンスに花咲かせた頃は大して気にせずに私生活を披露してましたが、今思い出すとこれらの交際は彼女のプロモーションに大いに役に立ったと言えます。
ハリウッドの仕組みを十分に利用して、すっかりスターの座を得たペネロピが「ヴァニテイー プロジェクト」を要求するのも映画産業の一部なのです。

これからの公開予定映画に「ザ クイーン オブ スペイン」という作品があります。内容はわかりませんが、なんとなく楽しみな響きが感じられます。
2016  MA  MA


2009   NINE

2013 COUNSELOR

1992  「ハモン ハモン」少女のようでした。




2016「マ マ」息子と。

「マ マ』 右は歌も治療の一つの産婦人科医。

夫くんのハヴィエ バーデム

2016「マ マ」右はサッカーのスカウト


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