MARK RYLANCE FARINELLI AND THE KING

MARK RYLANCE  FARINELLI AND THE KING


10月22日の夜はロンドンのウエストエンドにあるデユーク オブ ヨーク劇場で上演中の「ファリネリと王」を観に行きました。スペインの王様をマーク ライランスが演じてロンドン中のステージファンの評判になっているそうで,ちょうど彼が「ブリッジ オブ スパイズ」(15)に出演中と言う訳でプロデユーサーが切符を調達してくれたのです。

鬱病で寝たっきり,起きれば金魚鉢の金魚釣りなどしているスペインの王がボーイソプラノを保つ為に睾丸を除去して高音を保つカストラートの歌手,ファリネリの声を聞いているうちに,病気が治ると言うあらすじで,これまでは最小限のセリフを最大限の効果を上げて言う役で評判だったマークがこの舞台では,ちょっと頭がおかしい王様を饒舌に,ウイッテイーに演じて,さすが舞台の達人とすっかり没頭して見入ってしまいました。
本物の男性のソプラノ歌手と俳優がふたり一役でファリネリを演じているのが見所です。舞台で歌が始まると本物の歌手が静かに出て来て, 透き通る様な声でアリアを奏で,その効果が見ものでした。
ジャコビアン劇場の舞台は小さく,観客席も小規模で、舞台の照明は全て,本物のロウソクと言うとびきり親近感の溢れる演し物で、後半になると私たち観客が劇にいやでも参加するというクワセモノの舞台劇でした。
戯曲はマークの実際の妻、クレア ヴァン カンペンによるもので, 彼女の処女作品だそうですが、もともと専門は古典音楽で,カストラートの存在を巧みにドラマに取り入れています。

そして今日「スペクター」のインタヴュウーでQを演じているベン ウイショウに、マークと類似点がある,控え目で,繊細で,出しゃばらずにしっかり光った演技を見せる点などなど、と伝えたら
「マークは僕の非常に尊敬する先輩で、いつも彼を指標にしてきたのです。まだ舞台を観ていないけれど,必ず行きます」
と感極まって話してました。
ロンドンに御出での際はおすすめの舞台劇であります。

数回のアンコールの後,マークがひとりで登場して,友人知己の俳優や劇団で働く人たちが病気や事故に遭うと深刻な経済状態になるから,ぜひ献金を!と呼びかけ(殆どの劇場がこのチャリテイーをしています)、ちょうどポンドを持ち合わせてなかったわたくしは,10ユーロを太目で可愛いファリネリのオペラ バージョンを担当した歌手に献金したのでした。
ロンドン デユーク オブ ヨーク劇場


マーク ライランスの王様とファリネリ



帽子が好きなマーク ライランス

2015
開幕前の舞台の様子,写真を撮ったら直ぐに注意されました。
終演後ファリネリの歌う方を熱演したオペラ歌手が俳優基金を集めています。

もうちょっとましな友人が撮った開演前の舞台のショット。ロウソクだけの照明です。
1994の映画「ファリネリ」

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