CHRISTOPH WALTZ A NEW BOND VILLAIN

CHRISTOPH   WALTZ   A NEW BOND VILLAIN

いつも悪巧みを考えているようなクリストフ ウオルツ。チャーミングな悪役がぴったりと言うより、彼自身が老獪、悪知恵の固まりの様で既に公開された「ビッグ アイズ」(14)ではエイミー アダムスが巨大な目を描く画家,彼は一応画家でもある夫で、妻の絵を自分のものだと偽って人気を得る、と言う役を好演していますし,初めて大きな役を得たハリウッドの作品「イングローリアス バスターズ」(09)で即アカデミー賞を受賞,その役と言えばナチの将校で権力を笠に着て威張りちらし、いざ捕まると媚を見せて取引をするという,嫌な男を人間味とユーモアを混ぜて怪演すると言うワザを見せたのです。
その後もポランスキー監督ジョデイー フォスター主演の「おとなのけんか」(11)ではエリート弁護士を嫌味たっぷりに演じてますし,「ジャンゴ 繋がれざる者」(12)では、歯医者のペテン師役を相変わらずの人を食った調子で演じて,再度のアカデミー助演賞を獲得。
「恋人たちのパレード」(11)など、サーカスの団長役で, 妻(リース ウエザースポーン)を獣医役のロバート パッテインソンに寝取られた腹いせにライオンや野獣を痛めつけるという卑劣な性格を力強く(?)見せてますし。
ハリウッドには珍しい才気と嫌味と世界観を持つ役者で,ステイーヴ マーテインの持ち味に近いのではないでしょうか。

1956年10月4日オーストリアのウイーン生まれ,父御は舞台装置の作り手,母御は衣装作り、祖父母も俳優だったそうですで遺伝は強くあるのでしょうが,何処かに悠然とした余裕が無く,ひねた感じがあるのは,パートナーのドイツ人曰く
「小国のオーストリア人は周囲の国のご機嫌ばかり気にしているうちに、性格がへなちょこになった」と自分の国の過去など全く気にせず,勝手な事を言ってます。ともかく、成功する為にはドイツ語,フランス語に英語を話すなど当たり前で,クリストフはその辺りの巧妙な抜け道に通じていると見ました。ロンドンに長い間住んでいた為にキングス イングリッシュを使うかと思うとアメリカのヤンキー英語も巧みに操り,表情も豊かで,体の切れも良く,如才ない返答をしては周囲を煙に撒いてほくそ笑んでいる様子が,彼の特徴なのです。永遠のコウモリと言いましょうか。
「良犬は常に鍛えておかねばならないというだろう。僕も自分では良犬だと思っているから,何時も勤勉に働いて,鍛錬していないと駄犬になってしまうからね」
などと言うのも彼ならではの妙なたとえですが,ヨーロッパ人間のクリストフが言う為に,嶮が薄味になっていると言えましょうか。
「チューリップ フィーヴァー」(15)と言うオランダのチューリップを描いた時代劇に出たあとは,007最新作「スペクター」(15)でオーベンハウザーと言うドイツ名前の悪漢を演じます。主役のボンドを演じるダニエル クレイグの次に名前が載っています.その次が新Mになるレイフ ファインズの名と大層なスターになったのでした。
華奢な体型だけに,頭脳作戦に出るタイプですから,ユニークな策略を見せてくれるでしょう。クリストフの世界を股にかける悪漢ぶりが楽しみです。 

右からジョデイー フォスター、ジョン C.ライリー、クリストフとケイト ウインスレット

お得意の表情

背後で若いふたりを覗いています。

2009「イングローリアス バスタード」のナチ将校

2014「ビッグ アイズ」
2011「恋人たちのパレード」本物の象と!
2009「イングローリアス バスターズ」

2015年公開予定の新ボンド映画「スペクター」


Comments

Popular posts from this blog

IGGY POP

DEVON AOKI

ADAM LAMBERT