ROBERT PATTINSON #2

ROBERT   PATTINSON  #2

「トワイライト」シリーズの永遠の美少年吸血鬼役で世界のアイドルになったロバート パッテインソンが新作「ザ ローヴァーズ」(14)と言うオーストラリア映画で,頭がちと鈍い若者役を激演。主役はガイ ピアーズで,近未来の南部オーストラリアの無法地帯を殺人など蚊を殺す様な感じで生き抜いていく男を逞しく,無表情で演じ,道路で死にかけていたロバートを理由があって助け,二人で目的地に向かって行くと言う,凶暴にして,何かが心に訴える凄まじいドラマなのです。誇りと汗と泥と血にまみれて,蠅がぶんぶん寄って来る,臭気立ちのぼる映画ですから,ハンサムなスターふたりのロード映画などと勘違いなさらないように。

さてロバートは「ハリポタ」にちょっと出て,すっかり主役のダニエル ラドクリフを食ってしまうグッドルックスと体の大きさが災いし,すぐに死んでしまうのですが,やはり彼の存在感は多くの人が感じたようで「トワイライト」シリーズで巨大なスターとなり,もともと性格俳優を目指していた当人はすっかり混乱して,共演相手のクリステイン ステユワートとのロマンスも大騒ぎされ、この映画でオーストラリアの何も無い僻地に行って、もっとも楽しんでいたのが彼だったそう。振り向いたりする人も無く,天地全てが空っぽで,悠々の普通人の暮らしが出来たのですから。
撮影は熱地獄で,監督は死人が出るのではないかと心配した程だったそうですし、低予算の為にボロな家に住み,衣装は着っぱなし、と言うエキストラも逃げ出す程の環境だったにも拘らず,ロバートは意気揚々としていたそうです。
おまけにこの役を得るのに大の苦手なオーデイシヨンを受け,延々4時間に渡って、冷や汗をかいたとか。
「ギルバード グレープ」(93)でのレオ デイカプリオも知恵おくれの少年を熱演してましたが,今回のロバートは可愛い少年ではなく,ひげっ面の血だらけの若者で,殆ど彼だとは思えない汚れ役です。
助けてくれたガイを慕う表情が何とも物悲しく,その愚かさが又,痛々しく,まともにものも言えないもどかしさが見ている我々の心を打ちます。今までのロバートの役では一番でしょう。
「リトル アッシェズ」(08)でのスペインの画家,ダリの役も努力が覗けて面白かったし,「リメンバー ミー」(10)での父親と上手くいかない息子役もリアルでしたし,「恋人たちのパレード」(11)のサーカスの女性に恋をする大学生の役も純情で微笑ましいものでした。
突然人気者になってしまった困惑と焦りが良い栄養になったようで、これからのロバートがとびきり楽しみになりました。おまけにギターとピアノも上手と来ています。単なるリーデイングマンではなく、オールラウンドの曲者役者になるかもしれません。

カンヌ映画祭でのガイ ピアースとロバート。

「ザ ローヴァー」撮影風景 左デイヴィッド ミショッド監督,右ガイ ピアーズ


2014。6.12「THE  ROVER 」 

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