ALFRED MOLINA

ALFRED    MOLINA

アルフレッド モリーナは1953年5月23日に英国のロンドンで生まれましたから、ちょうど61歳になったばかり。濃い髪にヒゲ,大柄で厚い体格ですから役は,悪漢か,弁護士,医者と言った威圧的な男の役が殆ど。でもかならず何処かに格調と威厳が漂っている,頼もしい俳優です。
「父はスペインから英国に来たから,僕にスペイン語を話すように努力したと言うのに,僕と来たら全く興味が無くて,父を失望させてしまった。仕事の関係でアメリカのロスアンジェルスに移ってから,スペイン語を話す機会が増えて,父親にどーだ!とペラペラと話しかけたら,「お前の言葉はメキシコ語だよ。私のカステイリアン(スペイン国のスペイン語)ではないね」と言われてしまった。いつまでたっても不肖の息子でね」
と大きな頭を掻いていた。

その父上はロンドンで運転手,母上はイタリー出身でホテルのメイドだったと言う労働者階級の家に育ち、「スパルタカス」(60)を見て俳優になりたいと決心したそう。
演劇学校を出て,舞台で頭角を現すという英国プロセスをたどり,映画デビューは「レイダース・失われたアーク」(81),良く知られてるのは,「プリック アップ」(87)で危険で凶暴な英国の戯曲家ゲイリー オールドマンのゲイの恋人役を演じた時,「ショコラ」(00)ではチョコレート屋をつぶそうとする市長の役、「フリーダ」(03)でメキシコの女性画家,フリーダ(セルマ ハイヤック)の夫、デイエゴ リヴェラ役などなどでしょう。
典型的なジャーニーマンの俳優ですからこれまでの出演本数が149本と言う多さです。英国,アメリカの映画やテレビに頻繁に顔を出す,声の出演も多く、その場に出て来ると画面が渋くなる,又はレベルが上がる,手合いの貴重なベテランと言えましょう。
新作「ラヴ イズ ストレンジ」(14)では,音楽教師の役、ジョン リスゴー扮する画家とゲイのパートーナー同士で、お互いに60歳を過ぎ,晴れて結婚式を挙げるとそれから急転換でトラブルが発生して,悲劇に終わリ、その現実を受け取って,ふたりの愛を愛おしく思い出す、と言うシニアのゲイの生活を哀しくも,ユーモラスに描いた秀作で熱演しています。私生活でゲイであっても構わないが,公式に結婚すると勤め先によっては、クビになってしまうというアメリカの微妙な現実の差別が覗けるドラマでした。
「僕にとって愛とは,共有ですかね,それから寛容さも大事ですね」
と悪戯っぽい表情で語るアルフレッドの奥方は英国女優のジル ガスコインと言い,86年に結婚,最近は女優業より作家と知られて居ますが、肝臓がんを病んだあと,13年にアルツハイマーにかかっていると発表。




そう言う苦労をこれっぽちも見せず,長い結婚の秘訣を
「恐怖心が夫婦を繋いでいるのですよ。それからいつもべったり一緒にいない事ですかね」
とドライなユーモアで語ります。
「悪役を大量に演じたおかげで,子供たちを大学に送る事が出来たから,悪役大歓迎ですよ。もちろんゲイの役もウエルカムです。今回はジョン(リスゴー)も僕もヒゲがあって,ヒゲ同士でのキッスは何ともでしたがね。昔母親がヒゲのない男など物足りない!と言ってたのを思い出して、ふむ、ヒゲとキッスするというこれが良いのだな,などと理解したりね」
2014「LOVE  IS  STRANGE 」

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