MATT DILLON #2

MATT    DILLON   #2

つい最近,マット デイロンがジーン ハックマンの息子を演じる「ターゲット」(85)を28年ぶり!!に見て、改めてマットの美少年ぶりにほれぼれしました。全く似ていないじゃがいものような父親なのですが。金物屋のオーナーという冴えない父親とパリで失踪した母親を捜しに,フランスに向かいます。到着したパリの空港で突然父親は怪しい男をピストルで平然と撃ったり,切れの良いアクシヨンを繰り広げて,息子は呆然とするのです。実は父親はかつて優秀なスパイだったのでした。
濃い眉毛をひくひくさせて,「ダデイー! 一体全体どうなっているんだよ!僕を独りで置いて行かないで!」などと訴えるマットのひたむきで,無邪気で,可愛いこと!
そしてじゃがいもダデイーは,渋いベテランのスパイに変身して,セクシーな昔の恋人の家などに行き,眠ったふりをしている息子のそばで彼女に言い寄られたりし,それを手慣れたプレイボーイのように巧みにかわすのです。そうです、ジェイムス ボンドのようになったジーン ハックマンの魅力的な事と言ったらありません。
マットは今年の2月18日に50歳!!
「テックス」(82)で初めて会ってからもう32年もたったのです。高校に凄い美少年が居るとスカウトが押し掛けて,しぶしぶ映画に出たマットのアイドル時代は有名ですが,母親が「マットよりハンサムな息子が居るのに」とつぶやいたそう。どうも美人美男家族らしいのですが、後に俳優になった弟のケヴィンを見るとかなり異色のルックスも居るようです。
ともかくマットは一時キャメロン デイアスと恋仲で,お互いに愛情を隠さずに,長距離ロマンスを楽しんでいましたが,自然に終わってしまい,面白い事にこのふたりは今でもハリウッドでも珍しい無傷の独身なのです。
マットはこだわりの男で,ビニールのジャズのレコードのコレクシヨンでは類を見ない程で,家に入りきらない為に空調付きの
1980年代




2005「酔いどれ詩人になるまえに」
倉庫を借りているそう。家具や自分の洋服もアンテイークやビンテージを好み,頑固として,トレンドに妥協したりしません。
「ワインに凝り出し,客室にワインを並べてワインセラーの温度にする為,強力なエアコンを付けていてね。友人が来るとこの部屋に寝かすのだが、みんな肺炎になりそうだと文句を言う。客に長居をさせない為にもワインを置くのは良いアイデアだと思っているんだ」
としれっと言ってますが旅行が大好きで,それもアジアの観光客が行かないようなところばかり。ある時カンボジアに行って大変に気に入り,それから何度も訪れて、自ら監督主演の「シテイー オブ ゴースト」(02)が出来たのです。
「カンボジアには過去を知られたくない有象無象がひしめいていて,まるで戦時下のカサブランカのような危険で,謎を秘めた雰囲気がある。僕が魅かれたのもその為だ」
「クラッシュ」(04)の差別主義者の警官役でオスカー助演賞にノミネート。
「毎回同じ役を演じるテレビシリーズなど出たくない」と繰り返していましたが今年からM。ナイト シャマラン監督が初めてテレビシリーズを試みる「ウエイワード パインズ」にCIAエージェントの役でこちらもテレビのレギュラーに初めて挑戦します。おそらく最近の映画よりテレビの方がずっと質が良くなったからでしょう。

その昔のテレビ西部劇「ガンスモーク」の主演ジェイムス アーネスが演じた保安官のながマット デイロンだった為にこの名前がついたと言う説はどうも間違いのようです。
スター意識の全く無い,自分の情熱に素直な、一緒にお酒を飲みたくなるような男らしい俳優,マットの事を6月上旬号(5月20日発売)のキネマ旬報に書きました。ご覧頂けたら嬉しいです。

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