NOAH EMMERICH

NOAH   EMMERICH

前回のハンク アゼリアと同様,主役の後ろでうごめく名脇役の俳優の一人がノア エメリックです。ドイツの発音ですと,あのイベント映画監督のローランド エメリッッヒと同じ名前ですが,アメリカではマレーネ デイートリックと言うようにCHと ”ク” と発音します。
191センチの長身,大きな頭に,にきび跡が残る顔で真面目そうなゆえに,スパイや刑事の役が多く,それもどこか危険性を秘めたタイプがお似合いです。

現在,アメリカで人気絶頂のテレビドラマ「デイ アメリカンズ」でFBI捜査官の役を熱演中。冷戦時のアメリカで,ロシア人のスパイが夫婦になって,もろもろの機密を探るのですが,この夫婦の家の隣に済む夫婦がノア扮する捜査官の家で,双方とも,なごやかに,親密な友達交際をして、もちろんロシア側は彼のことを把握していますが,ノアの方は全く気づかず,おまけにロシア大使館の秘書を自分側のスパイに利用していたのが,彼女に恋をしてしまい,セーフハウス(隠れ家)を情事の場に使ったりして、あまり家に帰らなくなり,美しい妻からも疑われるという,難しい立場にいます。その上同僚が,この隣の夫婦に殺されたり,目下焦燥感と挫折感に打ちのめされている状態で、ノアは心身ともに疲労困憊の彼を実に真に迫って演技しています。

1965年ニユーヨーク州のニユーヨークに,ノアとい聖書の名前から察せられるように、ドイツ生まれのユダヤ人の父親を始め、祖父母はハンガリー系ユダヤ人,母方はルーマニア系のユダヤ人とユダヤ人のサラブレッドとして生まれました。それにしては背が高く,髪の色も薄く,態度が控え目で,一般のがめつくて、強行的なユダヤ人のイメージとはかなり違います。
ともかく大学はイエール大学と名門で、ここではアカペラのコーラス部で活躍,同時にトランペットも吹き,勉強も出来て,弁護士を目指していたところが,演技に開眼。そのせいか早口で,法律用語を混ぜた固い言葉を好むようです。グレイのスーツ姿も弁護士か会計士のようで、派手なところが全くありません。
ナタリー ポートマン主演の「ビューテイフル ガールズ」(96)で頭角を現し,「リトル チルドレン」(06)では幼児犯罪の前科者を見張る元警察官と言う役を空恐ろしい雰囲気を漂わせて熱演。
去年(13)は「ブラッド タイズ」と言う映画でクライヴ
オーウエンとマリオン コテイヤード,ビリー クルーダップと言う演技派と共演し、今年(14)は「ジェーン ゴット ア ガン」と言う映画で再びナタリー ポートマンと共演,他にロドリゴ サントロやユワン マグレガーが出ると言う期待出来そうな映画です。
背が高く,ハンサムなのに,どこかで非常に謙虚で,内気な感じがしますが,その為に主演より,脇役を選んでいるふしが見えます。社会運動にも積極的に参加しているようで,バランスの取れた知識人の落ち着きが強みと言えましょう。




2014  THE AMERICANS








 

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