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Showing posts from February, 2014

JIM BROADBENT

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JIM   BROADBENT 名前からも大きそうな印象を受けますが,ジム ブロードベントは身長190センチ、加えて巾ががっしりと厚く、顔も巨大、おまけにびっくりマナコで鼻もまん丸の陣取るとあたりの酸素が薄くなるような、のしかかって来る存在の俳優です。 日本では「ムーラン ルージュ」(01)のクラブのマネージャー兼舞台の司会役が一番知られているでしょう。あの映画はオーストラリアのダンスが大好きな監督、バズ ルーマンの情熱を込めたミュージカルでしたから、主演のニコール キッドマンとユワン マグレガーのロマンスよりも、めまいがしそうなスピードと色彩のダンス ナンバーとその中で巨体をめまぐるしく動かして、踊り、走り、歌い、忙しそうに駈け回っていたジムのパワーは忘れ難いものでした。 その少し前に「トプシー、タービー」(99)と言うミュージカルの創作者コンビ、アーサー サリヴァンとW。S。ギルバートを描いた映画があって、これも又、めまぐるしく、忙しく、サリヴァンを演じたアラン クードナーとギルバートを演じたジムがお互いに大きくて、画面からはみ出しそうだった印象があるのです。 ジムは1949年5月24日、英国リンカーン州のリンカーンに家具屋の父親と彫刻家の母親のものに生まれ、まずはクエーカー教の寄宿学校に送られ、その後に演技熱が目覚め、両親のクリエイテイヴな才能の遺伝もあったのでしょう、演劇校に行っても良いと言われて、ここで頭角を表しいます。1972年に卒業すると直ぐに、もろもろの舞台に出て,経験を積み、「タイム バンデイット」(81)と言うテリー ギリアム監督の珍妙な映画に出て、注目されたのでした。奇才マイク リー監督のレギュラーになり「ライフ イズ スウイート」(90)や「リトル ヴォイス」(99)などの家族の悲哀を描いた小作品に出たり、ニール ジョーダン監督の話題作「クライング ゲーム」(92)にも出ました。 ウデイー アレン監督の「ブロードウエイの銃弾」(94)でも巨体を活かして、顔を出しています。 ジュデイー デンチがアイリス マードックと言う高名な文学者を演じ、彼女が徐々にアルツハイマーにおかされて行く「アイリス」(01)と言う秀作では,やはり文学者であるアイリスの夫を毅然として演じました。95年に自信の母御をアルツハイマーで亡くしただけに、この

THOMAS KRETSCHMAN

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THOMAS   KRETSCHMAN 「戦場のピアニスト」(02)でエイドリアン ブロデイー扮するユダヤ人のピアニストの弾く曲を物悲しげに聴いていたナチの将校を覚えてますか。戦争ものには必ず良心や芸術を愛する心を持つ敵のリーダー格を入れると悲劇度が増します。敵も人間というバランスを見事に描いていた感動の場面でした。 演じたのはドイツの俳優、トーマス クレッチマンで、彼自身の人生もピアニストに負けない生死を賭けた壮絶なドラマなのです。 1962年9月8日 当時は東ドイツのデッサウに生まれ、水泳選手としてモスクワ五輪に出場したこともあるスポーツマンでした。あの頃のオリンピックは東ドイツの選手の国を上げての猛訓練とメダル獲得数が国威を揚げるPR作戦でしたから、トーマスが受けた訓練やしごきも想像出来ます。 そして翌年19歳で、約100ドルの資金だけを持ってトーマスは陸と川づたいに、 ドイツとオーストリアとユーゴースラヴィアとハンガリーの4個の国境を抜けて,西側に亡命し、そのために足の指を凍傷で失ったりもしました。今は整形手術で人工指を付けている由。 西ベルリンに住み、ここで演劇に興味が出て、演劇学校へ。ドイツのテレビに出始め、最初の主演映画が「スターリングラード」(93)です。凍り付くロシアのスターリングラードで崩れて行くドイツ軍をリアルに、無惨に描いた戦争映画の佳作で、最近ロシアが制作した同題の「スターリングラード」(2013)にもトーマスが出ていますが,こちらは大げさで、やたらに爆発シーンがあるなど、乱暴な映画でドイツ版とは雲泥の出来です。 眉目秀麗で、どこかにノスタルジアが漂うトーマスは今までナチの将校役を10本の映画で演じて来たそう。これはもう殆ど、きまり役、はまり役と言えますが、彼自身は 「アイヒマン」(09)で主人公のアドルフ アイヒマンの役を演じた時に 「レイフ ファインズは(英国人だから)ナチの将校の役を精一杯、気迫をこめて演じられたろうが僕の場合は常に澱のような嫌な気分がつきまとう。特にアイヒマンの役は気が重かった。しかし僕なりに俳優としての挑戦として取り組んだ。俳優が仕事だもの。選択の余地はあまり無いからね」 と正直に語っていました。 往年のドイツ人スター、自尊心のかたまりとして知られるクルト ユルゲンスもいかめしいナチの

JESSICA BROWN FINDLAY

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JESSICA   BROWN  FINDLAY 人気絶頂の英国の貴族社会を描いた「ダウントン アビー」(2010ー)でレイデイー シビルを演じて、そのこぼれるような魅力と聡明なルックス、そしてとびきりセクシーなしゃがれ声で一躍人気を得たのがジェシカ ブラウン フィンドレーです。ところがジェシカには、長い拘束のテレビドラマの契約に縛られるのはごめんという野心(と言うより,新しい役への挑戦でしょうか)があって、第2シリーズで死んでしまうのです。貴族の令嬢なのに、反戦運動をしたり、アイルランドの革命運動を支持したり、挙げ句の果ては運転手と駆け落ちをして,赤ちゃんができて、その赤ちゃんと引き換えに命を失うという、まことにメロドラマチックなストーリーなのでした。 次の第3シリーズでは、主人公のハンサムな貴族の御曹司にして、弁護士(仕事を持っていること自体が見下された時代)で、先ほどの令嬢の姐御と結婚するマシュウと言う役を華やかに、男らしく演じたダン ステイーヴンスと言う若手俳優も、もっと外部の仕事がしたいからと役を降りたいと言って,何とシリーズの最後に自動車事故で死んでしまうという過激なプロットになり、世界中のファンが抗議をしたり、泣きついたというほどの大人気番組なのです。 と言うわけで、役を降りる俳優たちはそれぞれ凄惨な殺され方をすると言うサイドストーリーも注目の的となるのです。 2014「 WINTER'S  TALE 」 さて早めに「ダウントン アビー」シリーズを脱出したジェシカは、目下アメリカで公開中の「ウインターズ テイル」(14)と言うメルヘンチックな恋愛巨編もので、コリン ファレルと道にならない恋をして、ふたりの強烈な引き合う情愛が活き活きとしていると評判になってます。コリンは大盗人、ある日金持ちそうな屋敷に強盗をしに入ると肺病の令嬢のジェシカは熱を冷まそうと全裸で玄関脇の池に入ってます。厳寒の冬に、ジェシカが雪の上に裸足で立つと足もとの雪が溶け始めるという、病気の熱と恋の熱が画面から伝わって来るという憎い演出でした。ああ、しかしアキヴァ ゴールドマンと言う高名な脚本家が書いているだけでは飽き足らず、初めての監督挑戦という不運で、ラッセル クロウの悪魔・コリンの育ての親・大悪党の役は全く意味がなく、その上にウイル スミス、ウイリアム

JOEL KINNAMAN

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JOEL  KINNAMAN ハリウッドが英国人やオーストラリア人に侵略されている今、スカンデイナ系も競って挑戦しています。もともと金髪で背が高い人種で、美形もごっそりですから、雑種系のルックスが主なアメリカでは際立って目立ちます。 ドルフ ラングレン、マッツ ミケルセン、マックス フォン シドー、ステラン スカースゴード、その息子のアレキサンダー スカースゴードなどなど全員 ブロンド、のっぽで、真っ白な肌のヴァイキングの末裔がハリウッドで活躍中。 ジョエル キナーマンは1979年11月25日スウェーデンのストックホルムに、チャールズ ジョエル ノードストロムとして生まれ、5人の姉妹と育ちました。父親はベトナム戦争を避けて移住したアメリカ人,母親はスウェーデン人のセラピスト、高校生の時に交換留学生としてテキサスに1年間滞在したそう。 189センチの長身とグッドルックスを活かしてモデルからテレビへ。「イージー マネー」(2010)の主演が注目されて,アメリカのテレビシリーズ「ザ キリング」(2011−2014)の主役に抜擢されます。髪を黒く染め。ちょびひげを生やして,元ドラッグ中毒だった刑事と言う役柄でした。共演の相棒刑事ミレーユ エノスと少女殺人事件を追うのですが、舞台はまるで北欧のようなシアトルで、リアルに、寒々しく、派手さが全く無いと言うことで人気を得ました。もともとスカンデイナビアのテレビドラマのリメークですから、冷たい環境が不可欠だったよう。しかし1年間のシリーズでまだ犯人が捕まらないという冗長さにファンが怒ったりすることもありました。 2年目のシリーズでは、一般の犯罪ドラマではタブーのドラマが起こったりとかなりオリジナルで、わがまま勝手なストーリーなのです。 そして今年公開されたばかりの「ロボコップ」の主役を激演。1987年と1990年に2回作られた、ピーター ウエラー主演の「ロボコップ」のリメークですが、現代ならではのプロットもあって、おまけにゲーリー オールドマンが共演ですから、それなりに中身がある映画になっています。最初の映画はあのダイナミックなポール ヴァホーベンが監督を手がけて、その斬新にして妙にセクシーななロボットのボデイーとルックスがとびきり評判になったのを覚えている筈。 ジョエルは「マッドマックス」のリメーク版にも誘

PATRICIA ARQUETTE

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PATRICIA  ARQUETTE アーケット一家はシカゴを拠点とする演劇一家で、両親は共に舞台俳優、父親はイスラム教に改宗,母親は、ユダヤ人でポーランドのホロコーストの生き残りの娘、と言う聞いただけでも複雑そうな家に、ロザンナ、リッチモンド,アレキシス、デヴィッドと言う全員俳優、女優の兄妹の3人目としてパトリシアは1968年4月8日に生まれました。誰もが一風変わった曲者の俳優たちで、パトリシアも例外でなく、15歳で家出、既に女優として独立していたロザンナのところに行ってもろもろのオーデイシヨンを受ける生活に。 そして「ナイトメア オン エルム ストリート第3弾」(87)で胸が締め付けられるような悲鳴を上げるスターとして注目されます。時に彼女は19歳。 20歳になってすぐボーイフレンドのポール ロッシとの間に息子が出来て、エンゾ ロッシと名付けられます。 「トルー ロマンス」(93)はタランテイーノが脚本を書木,トニー スコット監督の若者暴力恋愛ドラマで、ここでパトリシアは威勢の良い主役を演じて、注目を得ます。 この頃の彼女は、インタヴユーでもまともに答えず,体をゆらゆらさせながら、宙を見つめているような眼で,勝手な事をしゃべっていました。つかみどころの無い、それでいて憎めない、売れっ子になろうなどとしないあたりが新鮮な存在が又、売れてしまうのです。 1995年にはこれも又変人で知られるニコラス ケイジと結婚、ふたりでお化け屋敷のような家を買って,寝室のベッドの飾りが巨大なゴキブリ(違う虫かもしれませんが)と言った生活を送ったのです。ふたりはすぐに別居して、01年に離婚しています。 パトリシアの映画キャリアは忙しくなり「ビヨンド ラングーン」(95)や「フラーテイング ウイズ デイザスター」(96)などの話題作にどんどん出るように。 97年には母親を乳がんでなくし、以来ガン撲滅運動に励んでいます。 157センチと小柄なのに,やけに胸が大きくて色っぽく,あどけない表情と悪女っぽい顔が交錯するルックスも現代の歪みを持った女性の役にぴったりなのでした。 俳優のトーマス ジェーンと06年から2011年まで結婚、ふたりの間には娘が独り生まれたそう。 最近はテレビシリーズ「メデイアム」(05−2011)での霊媒を見る女性の役、「ボードウオー

MARLEE MATLIN

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MARLEE    MATLIN 生まれて18ヶ月で聴覚の80パーセントを失い、7歳で「オズの魔法使い」の舞台で主役のドロシーを演じ。21歳で初めて主演した映画「愛は静けさの中に」(86)でアカデミー主演女優賞を受賞、と言う普通の人でも非常に難しい快挙を聾唖と言うハンデイを持って成し遂げたマーリー マトリン。 授賞式で懸命に手話と喉から出て来る音でスピーチを成し遂げた姿を覚えている方も多いいでしょう。 1986   「愛は静けさの中に」 1965年8月24日イリノイ州のモートン グローヴで、自動車デイーラーの父親のもと、ユダヤ系の家族の中で、積極的に育ったマーリーは、ハーパー カレッジでは犯罪学を専攻、しかし演劇への興味がよみがえり、舞台の役をこなし、「愛は静けさ。。」の役を得たのです。原題を CHILDREN   OF  LESSER   GOD と言い,共演のウイリアム ハートとマーリーはすぐに同棲を始め、ふたりともとびきり気が強く、お互いに暴力を振るい、ドラッグに溺れる日々を過ごしたとか。2年間の生活を打ち切って、マーリーはバーバンク市の警官と結婚したのが1993年、それから4人の子供が生まれ、今だに安定した家庭生活を送っている様子です。 「耳が聞こえないハンデイキャップは、耳ではなく、心にあるのです」と宣言したり、 13インチ以上の画面のテレビには必ず クローズド キャプシヨン (CC)を取り付けるようにと言う規定を設ける運動をリードしたりとマーリーは精力的に活動力を続けました。 「あなたが聞こえない」(93)などの話題作に出演し、テレビシリーズにもたくさん出ていますが、やはり聾唖者支持のチャリテイーが主な仕事になって来た様子。 「アイ ウイル スクリーム レイター」(後で叫びますよ)と言う自伝を2009年に出版。 それでもハリウッドで、彼女の後を継ぐハンデイキャップの俳優があまり出現しないのは,何となく寂しいことです。