DON CHEADLE

DON   CHEADLE


ごく細めの顔が哀惜の表情を効果的に見せるドン チードルはハリウッドの黒人俳優の中でも役を厳選して,自分の心に響く作品を選ぶ事を心がける品格がにじみ出るスターです。

「ホテル ルワンダ」(05)で反乱軍が襲う高級ホテルの支配人として出来る限りの助力を試みるで役はアカデミー賞候補にもなった,素晴らしい演技を見せてくれました。
1200人のルワンダ人の命を民族争いの殺戮から救った事実(1994年)に基づいたストーリーです。
2007 「ホテル ルワンダ」
アフリカのルワンダの実情をよく分からないわたくすでさえ,それからずーっと,ルワンダの悲劇がぐさりと胸に刺さっています。奥さん役をしたソフィー オコノデと言うエレガントなアフリカ出身の英国の黒人女優が「まるで日本人のような名前でしょう」と笑っていたのを思い出しました。

ドンは1964年11月29日ミズーリ州のカンサス シテイーに児童心理学者の父親と銀行家の母親のもとに生まれ,安定した家庭に育ったそう。ルックスが痩せぎすにも関わらず、そのあたりの余裕がそこはかとなく見えるのは,幸福な育ちのせいでしょう。

10歳頃から演技に目覚め,大学はカリフォルニアのアートスクールで演劇科を専攻,テレビのちょい役を手がけてから
937高地(ヒル)での戦いで人間がハンバーガーのようになったと言うベトナムの激戦を描いた「ハンバーガー ヒル」(87)で米国陸軍兵士を演じて注目を引き,「カラーズ」(88)でギャングリーダー役で演技派ブラック俳優の仲間入り。

テレビ映画の「ラット パック」(98)でサミー デイヴィス ジュニアを好演,よく似ている上に,身のこなしもそっくりで,ほんもののシナトラやデイーノたちが偲ばれました。
オリジナルのシナトラやデイーノが遊び半分で出たような「オ−シャンと11人の仲間」(60)のリメーク,「オーシャンズ 11」(01)では,サミー デイヴイス ジュニアの役から飛んで,ロンドン訛りで,大げさなことを言う泥棒の役を怪演,12,13のシリーズにも顔を出しています。

ほとんどの映画で,鮮やかな演技力を披露するドンですが,最近では「ザ ガード」(11)でアイルランドに出向くアメリカの刑事役が最高に愉快です。相手役がアイリッシュの怪優,ブランデン グリーソンで彼が大酒飲みで,全くルールを無視する地元の刑事を楽しそうに演じて,杓子定規のドンは丘に上がった魚の様に無意味に飛び跳ねるのです。

最近はテレビシリーズ「ハウス オブ ライズ」(嘘の家)(11−)で,誠に不道徳な経営コンサルタントを言う役を神妙に,裏で舌を出しながら,軽快に演じています。
 2013  「ハウス オブ ライズ」

2007  「オーシャンズ 13」

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