ANGELA LANSBURY

ANGELA   LANSBURY


テレビの「ジェシカおばさんの事件簿」(84−96)で人気者になったアンジェラ ランズベリーですが,原題は「マーダー,シー ライツ」(殺人事件を書く女性)ともう少し恐怖感が加わっているのです。友人の俳優がアンジェラの演技を見て,常に頭を動かし,手を動かし,目を動かす彼女はオーバージェスチュアでみっともない,と厳しい批判を言ってました。もっともこのテレビドラマでは隣のおばさんの探偵ものですから英国出身の名優といえどもかなり喜劇的に演じようとオーバーになったのかも。

何と言っても「影なき狙撃者」(62)のローレンス ハーヴェイの母親役です。実際には3歳年上だけのアンジェラはハリウッドの典型的年寄りメークを拒んで,ほとんど素顔と自分でしたメークで役を演じ,それが又凄味をましたと言えましょう。今で言うコントロール マザーで息子を自分の好きなように扱うあたりの彼女の表情はそこらのホラー映画よりずっと怖いですから。原題は「マンチュリアン カンデイデート」と言ってジョン フランケンハイマー監督,フランク シナトラ,ジャネット リー,ヘンリー シルヴァなどの曲者俳優が朝鮮戦争直後の政治界の疑惑を描いたスリラーで,最初に見た時は訳が分からなかった心理ドラマです。

初めてアンジェラに会ったのは,デイズニーのアニメ「美女と野獣」(91)でテイーポットのミセス ポッツの声を担当した時。日本で公開されるアニメは日本の声優なり俳優が手がけますが,現地版はいつもベテランの俳優を選びに選んで,最高の,そしてギャラもしっかりと高いスターたちを配役します。どこかで聞いた事がある声がきつねやバンビになって台詞を言うと楽しさとレベルがグンとアップしますから。
「私は舞台が大好き。本番前の恐怖感と戦うのはもちろん強大なプレッシャーになるけれど,それが私を向上する力でもあると信じています。でも劇場の席はせいぜい500人分位しか無いでしょう。テレビに出るとあっという間に何百万人もの人が見てくれる。そのインパクトと影響力は利用するべき」
と例のちょっと険のある甲高い声で言ってました。どことなくブルドッグに似ているところも取っ付きにくい原因かも。

1925年10月16日英国はロンドンに生まれて,父親は共産党の政治家,母親は女優で,裕福なアッパーミドルクラスの育ちを経て、女優志願となったアンジェラは1940年にアメリカに出てきて2年後にMGM スタジオの契約女優となります。
「ガス橙」(44),「ドリアン グレイの肖像」(45)で続けてオスカー候補になって,演技派として認められ,美貌で勝負ではないため,映画では性格女優として生き抜いてきました。

最初の夫がゲイだったりと言うスキャンダルがありましたが2番目のハズバンドとは安定した家庭生活を共にした様子。

1979年にはブロードウェイで「スウィーニー トッド」を演じて,喝采を得ました。

80歳を優に超した最近も一人芝居などに迄挑戦して,しっかりベテラン舞台女優の誇りと勇気を見せているシニアーの鑑のような存在です。
1991 BEAUTY  AND  BEAST

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