LENA    ORIN

スウェーデン産のグラマラスで,タフで,鼻息の荒い女性を演じると、とびきり強いインパクトを見せてくれるレナ オリン。美しく見えよう等と全く考えずに,顔も体も歪めて全身で役に取り込む姿勢が,ハリウッドの顔の左側しか撮っちゃ駄目,ハダカは困る,等と甘ったれる女優がごまんといる中,燦然と光っています。

1955年3月22日,スウェーデンのストックホルムに父親はステイッグと言う俳優で,イングマル ベルイマン監督のレギュラー,母親も女優と言うサラブレッドの毛並みを持って生まれました。
ストックホルム王立劇場で演技を学んだレナは,舞台で修行を積み,ベルイマン演出のテレビ映画「リハーサルの後で」(84)で注目されます。

そして有名になったのは「存在の耐えられない軽さ」(84)でした。題名のユニークさとストーリーの意外な展開が評判になったフィリップ カウフマン監督,ダニエル デイ ルイスとジュリエット ビノーシュが競演の素晴らしい作品です。1960年代のチェコスロヴァキアの若き医者がダニエル、女性の大もてなのが問題と言う羨ましい状況ですがやがて政治に乗り出し,もろもろの幻滅を味わうと言う人間味たっぷりのドラマでした。

89年の「敵,ある愛の物語」ではオスカー助演賞候補になってます。

私がわー凄いと感嘆したのは「蜘蛛女」(「ロメオ イズ ブリーデイング」)(93)。ゲイリー オールドマンと共演した悪徳刑事や悪女がはびこるスリラーで,車の後部席で両手を縛られたレナが長い足を伸ばしてハンドルを操り,同時に脚で前の運転している男の首を絞めると言う,仰天の忘れ難いアクロバットでした。


「役を演じる時,完璧な人間像を造ると嘘っぽくなるから,ある程度,空っぽの部分を残して置くのよ。アクシヨンは大好き。手や脚も体の延長で,体中で演技する緊張感はまた格別」
等といたずらっぽく話してました。
美しい女優ですが,態度や中身ががらっぱちなのが,何とも新鮮で,世界中の監督から誘われるのが分かりました。

スウェーデンの監督,ラッセ ハルストレムと94年に結婚,娘がひとり。(レナにはその前に未婚の母として息子がひとりいます)

最近では「愛を読む人」(08)や「ヒプノテイスト 催眠」(12)で変わらないエレガントな美しさを見せてます。
「ナイト トレイン ツー リスボン」と言う映画が今年公開されるとか。タイトルだけでも、わくわくしますね。


2000  「ショコラ」

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