SIMON  PEGG


見ているだけで,おかしいと言うアドバンテージを持っているサイモン ペッグはイギリス人独特の抑えた喜劇がとびきり上手です。
がはがはと転げ回って,大げさに騒ぐジム キャリーや頭の回転の遅さをお笑いにするアダム サンドラーたちのコメデイーは感情露出度過剰なアメリカ人にぴったりですが,どうももう少しひねこびた,島国根性の我々には
同じ古い島国の英国のお笑いの方が面白いと感じるのでは。

1970年2月14日のヴァレンタイン デーに英国のグロスターで生まれたサイモンの本名はサイモン ジョン ベッキンガムとなんだか宮殿のような,サッカースターのような
名前です。

16歳の時に「グッド サード レッグ」(好調の第3番目の脚)と言う意味深な名前のバンドを結成し,ハーモニカを吹いていたとか。

コックニー訛りで学校も行かずに喜劇の舞台に出た様にも見えますが,実はしっかりブリストル大学で舞台芸術などを学び,卒業してからスタンダップコメデイアンの道をたどる,と言うインテリなのでした。
2011 「宇宙人ポール」
「ショーン オブ ザ デッド」(04)と言うゾンビがロンドン中を徘徊していると言う喜劇にサイモンは脚本から参加。 小粒ながらぴりりとユーモアが利いたユニークな映画としてヒットしました。

フラットメート(ルームメートの英国版)のニック フロストと組んでテレビ時代から映画までずっと一緒にアイデアを練り,共演しているのも,微笑ましい友情を見せてます。

「英国人は感情を見せないことを誇りに思っている。だから激情に襲われそうになると決まってカーテンの向こう側に行ってしまう。それを効果的に使って喜劇にするのが英国風と言うのだよ」
と言う説明をしてくれた様に,床を転げ回るぎゃーぎゃー笑いはやはり英国でも違和感を感じるようです。

「スターウオーズ」の大ファンで,何事も “フォース” のせいにするそうな。
「ホット ファズ」(07)と言うドジな警官の喜劇も彼の小柄な体と懸命な表情で生真面目な警官のおかしさが何も言わずとも漂ってきます。

新「スタートレック」(09)シリーズでは,スコッテイー役を熱演,「宇宙人ポール」(11)ではアメリカの西部を観光する英国人のお上りさんをニックと共演,愛情と皮肉にあふれたアメリカ人観察記でもあります。

グエネス パルトローの旦那のクリス マーテインとは昔からの友達で,クリスの「コールド プレイ」と言う有名なバンドに時どき飛び入りしてはご自慢のハーモニカを吹いたり,おまけにサイモンはグエネスとクリスの最初の赤ちゃん,アップルのゴッドファーザーなのですって。

又次の「スタートレック」(13)にスコテイー役で出てきますが,今度は,英国の若手ベネデイクト カンバーバッチが謎の悪人として登場しますから、楽しみが増えました。


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