AARON   ECKHART


アーロン エックハートはアメリカ人スポーツ選手によく見るルックスと体型ですね。例えば目下スキャンダルの真っ只中の自転車選手のランス アームストロングにそっくりですし,フットボールのクオーターバックなど指揮を執るポジシヨンの選手によく見るちとニヒルで責任感が強そうな面構え。

モルモン教なのですよ。一家そろって。父親はコンピューターの専門家,母親は詩人にして子供の本の作者,生まれたのはカリフォルニアですが13歳の時に一家で英国に。ここで演劇に目覚めたアーロンですが,サーフィンボーイでもあったのでオーストラリアはシドニーの高校に行ったり,モルモン教の布教にスイスやフランスにも渡ったとか。
2010  「ラビット ホール」
日本の街角で白いシャツに黒いタイとズボンの宣教者よりグレードアップな国に行かされたのは,父親の影響かしらん?

ま,グローバルな若き青春を経て,モルモン教の大学,ブリガムヤング大に入学したのが94年,そこで異色監督のニール ラビュートと知り合います。

ラビュートのデビュー作(韻を踏んでます)「イン ザ カンパニー オブ メン」(97)と言う映画で,嫌みなレイデイースマン(女たらし)を演じて,独立映画の新人賞を獲り,彼のドライなユーモアといささか意地の悪そうな顔がもてはやされるように。


「隣の愛人」(98)など以後のラビュート作品にほとんど出演して,同時に「エリン ブロコビッチ」(00)の主役でオスカーを受賞したジュリア ロバーツの親切な友人役を快演し,ハリウッドの2枚目のステイタスを得ます。

余りライムライトを求めないタイプで,いつも誰かの陰でごそごそして,一応の会見の義務は果たしますが、マスコミに媚びたり,不必要なことをくっちゃべったりしません。崇高な姿勢がともすれば,距離を置くエリート志向とも受け止められました。

「ダークナイト」(08)ではバットマンの敵役をして,パワフルな存在を見せましたし,「ラビットホール」(10)では息子を事故で亡くしたニコール キッドマンの亭主を困惑顔で演じ,悲劇のどん底から這い上がれないドラマテイックな妻を持つと夫は他の女性に気を取られると言う現実を生々しく見せてました。この映画ではニコールが夫の役はぜひともアーロンで!と要請したのですって。撮影中は二人で同じ家に住み,歯ブラシを並べてコップに指したとか。ちなみに監督は「ヘドウィックとアングリーインチ」(01)と言う私めの大好きな,へんてこな映画を創ったジョン キャメロン ミッチェルで彼の感性が現場や作品ににじみ出ています。

この時の会見で愛犬が最近死んだ話になり,アーロンはおいおいと泣き出してしまい,私めはおろおろし,この写真のような固い抱擁を交わした訳です。
ニヒルな顔に似合わず,深い情愛の持ち主だと発見し,何となくとても親しみを覚えたのでした。


2010  「ラビット ホール」
新作「オリンパス ハズ フォーレン」(13)では何と合州国大統領を演じるそうで,ちょっと楽しみです。共演はジェラルド バトラーにモーガン フリーマンですと。

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