MIRANDA   RICHARDSON 


英国の中堅演技派女優です。ミランダ リチャードソンと言う名前のために、幾度となく、ヴァネッサ レッドグレーヴの娘たち(夫君の名前がトニー リチャードソンだったために)、故ナターシャとジョーイ リチャードソンの姉妹の姉貴だと思われて、その都度、「違う家族です」と答えてきたとか。

若い頃は、性的パワーが充満で,おまけにブロンドだった為英国版マリリン モンローのような存在でもありました。
「ダンス ウィズ ストレンジャー」(85)ではルパート
エヴァレットと組んで、1955年のロンドンの運命的な出会いをセクシーにエレガントに見せてます。まだカミングアウトしてないエヴァレットが、女性を求める2枚目としてきらりと光っていますし、ミランダは英国最後の死刑台に上ったルース エリスと言う女性を美しく、リアルに演じています。

1958年3月3日のおひな様の日に英国はリバプールの近くで生まれ、親族の中に演劇界で働く人がゼロと言う環境に育ったので、ゆくゆくは獣医になろうと思っていたそうです。しかし女優の道を目指し、ブリストル オールド ヴィック演劇学校に入学、同期にダニエル デイ ルイスがいたとか。
「クライング ゲーム」(92)での謎の美女役も、アイルランドの抵抗軍やスパイがはびこリ、どんでん返しの性のトリックなどのドラマの中で、際立っていました。ステーヴン
レイと言う地味ながら、渋い演技を見せる俳優が主役で、この作品以後、私めは彼のファンとなって、後を追ってますが、今だに主役の陰で場面盗み専門に徹しているような憎い存在です。

何回かインタヴユーしましたが、いつも礼儀正しく、エレガントで、自嘲的なコメントを巧みにちりばめる頭の良い女優で,ハリウッドの同年代の女優の持つ年齢の焦りなどちらりとも見せません。
「若い女性の魅力と張り合うなんて不可能でしょう。50歳を過ぎた女優には、年輪と言うたまものがあるし、主役の母親やおばさん、高慢な王妃に不気味な魔法使いなんて役を手がける楽しさは格別ですもの」

そして美容法については、
「あのね,高い化粧品だからって効果があるとは限らないのよ。安い方が私は安心して気楽に使えるから好き。それからひとつのメーカーをずっと使わずに、時どき換えるのも、良い刺激になると思うの」
と嬉しいことを言ってのけるのでした。

2010  「メイド イン ダーゲンハム」
最近は「ハリポタ」シリーズに出たり、「メイド イン ダーゲンハム」(2010)(Made In Dagenham)と言う作品では、1968年のロンドンの外れにあるダーゲンハムのフォード自動車工場で起こった女工ストライキで組合長のサリー ホーキンズの訴えを聞く女性政治家の役を快演しています。このホーキンズが細面で、実に情けない顔の女優で、疲れ果てた女工にぴったりでした。ミランダはつややかな肌に、高級そうなスーツを着て、いかにもサッチャー時代の政治家らしく、しかし女性の労働者に対する理解も深い、懐の深いところを見せてます。英国文化の一面を知ることが出来る面白い映画です。

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