TOBY    JONES


1967年9月7日英国のオックスフォード生まれですから
現在まだ45歳!この方も若い時から,老け役専門とい感じで,画面に出てくると心が和むふんわりとした雰囲気を持ってます。何と言っても究極のベビーフエイス!こう言うタイプが連続殺人鬼等手がけると怖さに異常さが増して,相乗効果が出てきます。

似たようなタイプにアメリカのフィリプ セイモア ホフマンが居て,運命のいたずらか,2005年に同じ役を演じてしまったのです。実在の文筆家,トルーマン カポーテをフィリップは「カポーテ」と言うタイトルの映画で演じて,大柄なのにも関わらず,ゲイで小柄で赤ん坊のような声を出す
カポーテを演じてアカデミー主演賞を受賞,トビーは「インフェマス」(悪名)と言う題で演じ,共演にサンドラ ブロックを得ての熱演でしたが,賞はおろか誰も見なかったと言う無視された映画になってしまいました。

トビーのほうが小柄で,顔も姿もカポーテそっくりなのですが,フィリップのハードルの方が高かったこと、アメリカの人気ライターを英国人が演じることへのこだわり,そしてフィリップの演技力がクライマックスに到達したモメンタム等等の理由でしょう。

さてトビーは演劇一家に生まれ,父親は性格俳優として有名なフレデイー ジョーンズ,母親はジェニファー へスルウッド,兄弟も監督や俳優として家業を次いでいます。

名門 アビントン スクール オブ ボーイズで舞台を学び
クラスメートに権力のある悪漢を演じると痛快なトム ホランダーやロックバンドのラジオヘッドがいるそうで,当時のこのクラスの光景をタイムトンネルで見たいものです。

次にパリの演劇学校に行ったトビーの映画デビューは「オーランド」(92)でした。テイルダ スウィントンの男女兼役が見ものの豪華衣装映画です。

最近では「ハリポタ」シリーズでハウスエルフのドビーの声を担当して,その奇妙な声に子供達の間で人気がでたとか。

「ペインテッド ヴェイル」(06)と言うサマーセット モームの原作の映画化では,中国で働くエドワード ノートン扮する理想主義の医師のそばで、白人の嫌な部分を全開するアル中で女たらしの男を怪演してます。ノートンの西洋的なノブレスオブリジの毅然とした姿と現実的なトビーのだらしのない格好の下に潜む心理が見ものであります。

今年になってトビーは再び運命の結びつきと言うか,又もや実在の知名人の役を演じて,何と同じ人物を他の俳優が演じると言う状況に立ってます。
アルフレッド ヒッチコック監督の役です。
2012「ザ ガール」
トビーはテレビ映画、「ザ ガール」(12)と言うタイトルでヒッチをとびきりリアルに演じ,「鳥」(63)と「マーニー」(64)に起用したテイッピ ヘドレンに対する異常な情愛を醜くも,哀れに見せています。タイトルのガールはヘドレンの事で,トビーの体も顔もヒッチにそっくりでした。
まもなく見ますがもうひとつのヒッチを扱った作品はタイトルも「ヒッチコック」(12),御大アンソニー ホプキンズが、かなりこってりのメークでヒッチを演じます。妻のアルマをヘレン ミレンが演じて,既に再びのオスカーがこの二人に! と言う呼び声が高いのです。
トビーはテレビ部門で何らかの賞を獲るでしょうが,2度も同じ年に同じ人を演じると言う偶然は何ともです。

最も当人は淡々として,「面白い役だった。複雑な男を演じるのは非常にやりがいがあるから,又誰かと同じ人物を演じたら,それはとりもなおさず,その役がエキサイテイングと言う訳だからね。」
とつやつやの肌をほてらせるのでした。


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