MICHAEL     CAINE

マイケル ケインの本名はモーリス ジョゼフ ミックルホワイトと実に英国の庶民層らしいものです。あのエレガントなケーリー グラントもアーチボルト リーチですし、トニー カーテイスはバーナード シュワルツと昔の演劇界もハリウッドも覚えやすくて,アングロサクソン系でハンサムに聞こえる名前に変えていたのです。
「ケイン号の叛乱」(54)と言う映画が好きで,このタイトルから苗字を拝借したのだそうな。


1998  「リトル ヴォイス」
つい3日前に「ブラッド アンド ワイン」(96)と言うジャック ニコルソンと組んで,金持ちの家からダイヤの首飾りを盗む映画を見たのですが,既に重症の肺病だか喘息で
ぜーぜーごほごほしながら,突然凶暴になって,邪魔な相手を殴り殺しそうになったりのシーンがとびきりおかしくて
ゲラゲラ笑ってしまいました。 それをジャックが呆れ果てて仲裁に入ったり,二人のお互いにうっとうしく感じつつも,仕方なく相棒になっていると言う状況が大人の喜劇なのでした。
「ペテン師と詐欺師,だまされてリビエラ」(88)でもステイーヴ マーテインと組んで同じような悪さをしていましたが,ちょびひげに 一目で染めたと分かる真っ黒な髪のマイケルは,どこから見ても小悪党でこう言う役をすると何ともいやらしく,いい味を出すのです。

両親は魚屋とロンドンの最下層階級に生まれ,ひどいコクニー訛りのマイケルは兵役を経て,舞台俳優に。
「ズール戦争」(64)で英国のエリート将校役を得て,最初、彼は位が違いすぎると怖がったものの,必死で上流階級のアクセントを身につけて,見事に凛々しく演じたのです。

「アルフィー」(66)はリメークのジュード ロウ版より
遥かに中身が濃くて面白いですし、「王になろうとした男」(75)はショーン コネリーと良い勝負を見せ,「鷲は舞い降りた」(76)はナチ スリラーでオールスターの怪傑映画ですし,もう少し後になっての「サイダーハウス ルール」(99)の味のある医師の役はオスカー賞受賞,と実に出演作が多いいのです。

「映画俳優に取って一番大事なのは目の動き。僕は金髪だから睫毛が白っぽくて,目に迫力がない。だから必ずマスカラを付ける。これが基本ですよ。」
と自分で書いた「演技手引書」を頻繁に引用し,年に10本も厭わない出演の多さについては、
「嫌いな役など無い。時間がある限り,そしてギャラが折り合えば,どんな映画にでも出る。働くのが楽しいし,金も入るとこんな上等な仕事はないものね。舞台?そりゃ昔は張り切って出ていたが,今では全く興味がないね。条件は悪いし、
汚い楽屋で準備し,埃っぽい舞台でつばきをとばしの熱演なんてもう出来ません。」
と、とことん正直なのも彼らしいです。
ドナルド サザーランドも出演作が多いことで知られています。ふたりとも力まず,多少ちゃらんぽらんに役を演じているふしもあって,それが又良い味を見せているのですね。

何度も会見してますが,気さくに,全く自分が特別などと言う態度は見せず,しかし早く終わって欲しいなーと言う表情はちゃんと浮かべるのですよ。

最近はバットマンの執事のような軽い役が多く,ほとんど半引退生活のようですが,まだ79歳,スパイスの利いた小悪党役など手がけて欲しいものです。

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