CHRISTOPHER      WALKEN


新作「セブン サイコパス」(7人の精神異常者)と言うタランテイーノ式,流血どくどく,殺人朝飯前,妙なリズムの会話,自分たちがノーマルだと思っている変人たちを描いた
作品に絶対不可欠なスターがクリストファー ウオーケン。
どこに出て来ても どこ吹く風とマイペースの飄々とした
存在を見せますから。
共演者はコリン ファレル,サム ロックウェルととんがっている風変わり役者ばかり,監督は英国のマーテイン マクドー(「ヒットマンズ レクイエム」(08)と言うたいそう面白いギャング映画を書いて監督した。)なので期待してみたのですが 背景がロスアンジェルスと近くの砂漠で我々にはあまりにも殺人現場としておなじみすぎ,会話も魅力的ではなかったのですが 面白い事に英国系の記者はけっこう面白かったと。アメリカとイギリスの感覚とかユーモアが
違う事を改めて痛感。

ともかくこの映画でウオーケンは金持ちの愛犬を誘拐して
はとぼけた顔で「この犬はお宅のでは? 感謝金? いえいえとんでもない!お互い愛犬家同士,とてもそのような大金は頂けません。」と言って お金を貰うのです。車庫を改造したケンネルには多数の犬がケージに入っていて タイミングを計らっての賞金稼ぎの材料なのです。

ウオルケンに初めて会ったのは 「ミラグロ」(88)だったと記憶してますが,長身痩躯で動きはシャープ,口調は
独特の訥々,スローペース,自分は自分と言う毅然とした姿勢が清々しかったのを覚えています。
もちろん「デイア ハンター」(78)でアカデミー賞を獲ったのは分かっていても「ブレイン ストーム」(83)で共演し,後にボート事故で亡くなったナタリー ウッドと何かあったのでは? それで夫のロバート ワグナーともめたのでは? と言う疑問がわき上がるばかりでした。彼は
終始 ノーコメントと答えてますが。

ドイツ人のパン屋を父に,スコットランド人の同じくパン屋
を母に1943年 ニユーヨークのアストリアで生まれ,母がショウビジネスに憧れていたために3歳からモデルをしたり,ジェリー ルイスやジャッキー グリーソンの子供役を舞台で演じ ダンスも歌もしっかり学んで59年にブロードウェイでデビュー。

と言う訳でウオーケンの体にはダンスのリズムが染み通っているので、あのエレガントにして,スピードのある動作をするのですね。
最近の彼はすっかり枯れて来て,仙人のような空気のごとき存在感を見せて来ました。
「僕の生活は言ったてシンプル。早寝早起き。ストレスは絶対に避け,仕事が来たら良いのを選び 魚屋に行き良さそうな魚や海草を買う。あのね,魚屋で働く若者たちが揃いも揃って豊かな髪なのは魚に原因があると信じているから 僕も習って魚を食べるのだよ。」
とトレードマークのおっ立った髪を触るのでした。
「髪を立てるのは 僕は頭が小さく 舞台で目立つには大頭
と知って しっかり髪の毛の手入れをし おっ立ってる工夫をし続けているのさ。」
2012  [ SEVEN    PSYCHOPATHS ]
と本気なのか冗談なのかはともかく そう言う事はどうでも良いと言う境地に到達している69歳の不思議なスターなのです。



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